サステナブルな種のはなし。

#ヨーロッパ #暮らし #安田和代

2025/03/0584 Views

writer:安田 和代(やすだ かずよ)
ロンドン在住の日本人編集者/ライター。昼は本を編み、夜は毛糸を編み、週末は畑で有機野菜を育てる日々。読書、写真、畑しごと、発酵食品&保存食づくり、編みもの、ポッドキャスト「試運転(仮)」、通信制大学で食物学の勉強など、あっちもこっちも。

まだまだ寒いロンドンの2月は、じめじめぐずぐず、グレーな空と湿度の高い空気が特徴です。
そんななか、畑の仕事は、実は家のなかですでに始まっています。

逃げる2月の忙しい家仕事

「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」と言いますが、ほかの月よりも短い2月は、まさにそそくさと逃げていくようです。
2月は、麹を作って味噌の寒仕込みをし、そしてなんといっても、夏野菜の準備も家のなかで始めます。
家のなかでの仕事が、山積みなのです。

まだまだ寒いのに早くない?と思われる方も多いかもしれません。
イタリアやスペインなどの南ヨーロッパと違って、春夏の気温がなかなか上がらない英国で、トマトやピーマン、なすなどの種をこの季節に入れるのには理由があります。

「積算温度」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「積算温度」とは、植物が花をつけたり、実になったりするために、必要な温度の合計のことをいいます。
例えば、プチトマトの場合は、開花してから結実するまでの積算温度が1000〜1100℃といわれており、常に20℃に温度管理された温室があれば、開花後50〜55日で結実する、という計算になります。
英国の場合は、夏の一番暑い時期でも、最高気温が20〜25℃くらい。
ここ数年は異常気象で30℃以上になることもありましたが、そんな日は一夏で3、4日程度です。

夏野菜を寒くなる前に最大限収穫するためには、暖かい家のなかでの早いスタートが不可欠、ということなのです。

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トマトの自家採種に挑戦

世界的にサステイナブルな生活が叫ばれるなか、園芸を趣味とする人たちの間でも、自家採種が推奨されています。
私がいつも種を買うオンラインショップでも、種を売る立場でありながら、自家採種をすすめていて、ウェブサイト上にハウツーを詳しく紹介しています。
家の近所にある園芸関係のチャリティ団体も、自家採種を呼びかけていて、年に一度、大がかりな種の交換会を開催しています。
昨年、私もこの交換会に参加し、そこでいただいた種が、100パーセント発芽したので感動しました。
やはり新鮮な種の発芽率は高いようです。

そこで、私も、昨年は見よう見まねでトマトの実から、自家採種をしてみました。
よいDNAを引き継がせようと、特に大きく実った実を選んで、種をかきだし、小さな瓶に入れて、一日2回かき混ぜて数日間発酵させます。
この工程で、種を覆っているヌルヌルとしたゼリー状の膜が取り除かれ、種に付着している病原菌の多くを殺菌することができるのだそうです。
最後に、瓶に水を入れて、表面のカビや浮いている種を取り除き、底に沈んだ種だけを取り出します。
それらを茶こしなどに入れて、流水でよく洗い、皿に広げて乾かしたら、できあがりです。

ちなみに、F1などと書かれている交配種では、自家採種しても安定した種はとれないとされています。
いわゆる固定種や在来種と呼ばれる品種のみ、なかでも虫によって受粉されづらい構造の花を持つトマトは、最も簡単に自家採種できるとのことです。
ピーマンや唐辛子は、いまにも咲きそうな花を見つけて、ストッキングやタイツの素材で作った袋を花にかぶせ、結実するまで虫が入らない環境をつくることで、交配されることなく自家採種できるそうなので、今年はぜひピーマンにも挑戦してみようと思っています。

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