春の訪れを告げるイギリスの花たち

#ヨーロッパ #暮らし #パイプなこ

2022/03/211824 Views

writer:パイプなこ
イギリス人の夫、息子と一緒に英国と日本を行ったり来たり。編集・ライターとして欧州の緑豊かな生活と日常をいろいろ発信している。

イギリスには、春の訪れを知らせる花々があります。
長い冬が終わりに近づき、この花たちがいっせいに咲きだすと「春が来る!」とみんなの心が浮き立つのです。

今回はイギリスの、春を告げる花の話題です。

春を告げる花々

日本で春の到来を桜が感じさせてくれるように、イギリスにも春を告げる花々があります。

まだまだジメっとした寒い冬の空気の中、地面からひょっこりと顔を出した緑の葉に続いて咲きはじめる早春の花々。
曇天の空を吹き飛ばすかのように鮮やかに咲くこの花々に人びとの顔はほころび、街へ出かける足取りも軽くなります。
道端での立ち話が多くなるのも、この頃からです。

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スノードロップ

そんな春を告げる花たちの一番手は、スノードロップ。
少しうつむきかげんに咲くこの小さな白い花は、ときには森一面に咲き乱れることも。
その光景はまるで雪が地面を覆っているかのようで、時期を逃せば見ることのできない美しさを逃すまいと、景勝地には毎年多くの人が訪れます。

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クロッカス

スノードロップのつぎに春を感じさせてくれるのが、紫色のクロッカス。
日が長くなりはじめる2月下旬、まるまるとした紫のつぼみが芝生から顔を出しはじめたと思ったら、あっという間にかわいらしい花が咲きはじめます。
そしてあたり一面が、パッと明るく華やかに。
「あ〜、ほんとうに春が来たな」と感じる瞬間です。

ガーデニング好きな人たちも、この時期から庭仕事をはじめることが多いようです。

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水仙

クロッカスから少し遅れて街のあちらこちらで咲き出すのが、ラッパ水仙の花。
秋に自宅の庭や公園の花壇、街のいたるところに植えられた球根が、3月に入ると一気に花を咲かせます。

その鮮やかな黄色はとても印象的。
イースターの時期とも重なり、街中が黄色の水仙とイースターの飾りつけで華やぎます。

水仙の花は、切り花としてもとても人気があります。
1束が1ポンドほどでお手頃価格ということもあってか、春先になると、多くの家庭で水仙が飾られます。

テーブルに心はずむ黄色の水仙をポンと飾るだけで、まだまだ暗くなりがちな室内が明るくなります。
部屋に春を呼び込んでくれる、とっても手軽な方法かもしれません。

またイギリスでは、イースターより少し早く来る母の日に、カーネーションではなく、この水仙をプレゼントするのが一般的です。

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ワーズワースという詩人が「ダッフォディル」という詩の中で「踊るように咲いている」と表現したのも、この鮮やかな黄色の水仙の群。
彼の故郷であり、ピーターラビットでも有名な湖水地方はもちろん、街の川沿いや郊外の森、庭園にも、ワーズワースの詩にうたわれているような水仙の群があり、多くの人が散歩をしながら楽しみます。

少し暖かくなった風に揺れる水仙の花々は、本当にきれい。
春先にイギリスを訪れる際には、ぜひ、街中から足を伸ばし、水仙の名所を訪れてみてくださいね。

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