「初恋草」の季節

#ガーデニング #暮らし #遠藤昭

2021/02/26940 Views

writer:遠藤 昭
メルボルン駐在時、300坪の庭にてガーデニングに目覚め、多数のガーデニングコンテストを受賞。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。

「初恋草」

毎年この季節になると、「初恋草」が園芸店の店頭に出回ります。
ちょっと甘酸っぱいような気恥ずかしい名前ですが、とても可愛らしく、魅かれる美しさですね。

20年前くらいから急に人気が出た、この「初恋草」、実はオーストラリア原産の花なのです。

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一見草花のように見えますが、実は常緑性の低木で、厳密には花木に分類されます。
日本では夏越しが難しいため一年草扱いですが、雨に当てないで乾燥気味に育てると、2~3年で大株になります。

花は1cm~2cmの大きさで、花びらは5枚。
うち2枚は小さくあまり目立ちません。
日本で園芸品種が多く育種され、花色は非常に豊富で、黄色、オレンジ、白、青、空色など、パステル調で非常に愛らしい姿が魅力的です。
その姿は羽を広げた蝶が舞うようにも見えるため、大株にすると全体が花に被われて、非常に見応えがあります。

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「初恋草」の育て方

多くの園芸書では、「初恋草」の育て方について、”日当りの良い場所で、水はけの良い土に植え、表面が乾いたら水をたっぷりやる。月に2度程度液肥を与える”と記載があります。
それでも上手く育てることができず、夏には枯らしてしまう方がとても多い原因について、西オーストラリアの自生地を見て、「なるほど!」と納得しました。

原生する地域は年間降水量が300mm~500mm程度。
強風が吹く乾燥した気候で、土壌は砂地の荒涼たる原野。
ほとんど砂漠といっても良い、厳しい環境でした。
日本の高い湿度や肥料のやり過ぎは、この植物にとって大敵なんですね。

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つまり、ベランダなど日当たりが良く、雨が当たらない風通しの良い場所での鉢植えが適しているのです。
水やりも、葉水をかけてはいけません。

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肥料

原生地は、もともと痩せた土で、弱酸性のリン酸分が少ない土地。
現地の環境に近づけてあげるため、軽石、鹿沼土などを混ぜて水はけを良くし、肥料は少なめに、油粕等、リン酸分の少ないものを使用します。

一般的に、花つきをよくするにはリン酸を与えるよう言われていますが、西オーストラリアはもともとリン酸分が少ない土地。
ワイルドフラワー専門のナーセリーでは、リン酸を与えてはいけない植物のリストを配布しているほどです。
チラシには、外来種(つまり豪州以外の原生の植物)と自生種(豪州の植物)を花壇で混植する時の注意点として、「 初恋草=レケナウルティア」「ボロニア(Boronia)」「 バンクシア(Banksia)」等は、リン酸に抵抗力がないので、化成肥料は与えずに、 油粕や堆肥など、緩効性有機肥料を与えるようしっかりと書かれていました。

原生地を見ることで、その植物の育て方が判るもの。
「初恋草」を枯らさない秘訣は、絶対に雨にあてない事なのです!

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「初恋草」を自宅で楽しもう!

「初恋草」は正しく育てることで、美しく、見事に咲いてくれます。

1年草だと諦めず、ぜひ一度原生地に近い環境で、大株に育ててみませんか?

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