英国のクリスマス・シーズン

#ヨーロッパ #暮らし #安田和代

2024/12/2548 Views

writer:安田 和代(やすだ かずよ)
ロンドン在住の日本人編集者/ライター。昼は本を編み、夜は毛糸を編み、週末は畑で有機野菜を育てる日々。読書、写真、畑しごと、発酵食品&保存食づくり、編みもの、ポッドキャスト「試運転(仮)」、通信制大学で食物学の勉強など、あっちもこっちも。

11月に入ると、すこしずつクリスマスのイルミネーションが灯り始めるロンドン。
今回は、英国のクリスマス・シーズンの様子をお届けします。

ロンドンのクリスマス飾り

12月のロンドンは、午後4時前には日没を迎えます。
一年で一番夜が長い季節です。

そんな長い夜を明るく照らすのが、クリスマス・ライト。
オックスフォード・ストリートやリージェント・ストリート、ボンド・ストリートなどのショッピング街は、競い合うように、見ごとなクリスマスのイルミネーションが灯ります。

とはいえ、近年の光熱費の高騰と、SDGsへの意識の高まりから、クリスマス・イルミネーションにも変化が生まれつつあります。
たとえば、毎年異なる飾り付けで話題を呼んでいたカーナビー・ストリートは、今年から5年計画で同じライトを使用することを決定。
6万個以上の省エネLED電球による演出を変えることで、毎年変化を出していくのだそうです。
また、かつては、朝明るくなるまで一晩中点灯していたイルミネーションですが、近年の光熱費の高騰を受けて、遅くとも深夜には消灯するようになりました。

今年、見つけたなかでおもしろかったのが、日本語の「背広」の語源にもなった、サヴィル・ロー。
仕立屋街だけに、裁ちばさみのモチーフが光っていました。

Thumbnail Images

Thumbnail Images

クリスマスのお菓子、ミンスパイとは?

英国のクリスマスのお菓子といえば、「ミンスパイ」。
この季節になると、スーパーでもベーカリーでも、いたるところで売られているのをみかけます。

「ミンス」は、英語で挽肉を意味する単語ですが、ミンスパイは挽肉のパイではありません。
手のひらよりも小さい、バターたっぷりのビスケット生地のなかに入っているのは、挽肉のように細かく刻まれたドライフルーツやナッツの砂糖漬け。
口のなかに広がるシナモンやナツメグなどのスパイスの香りと、オレンジピールなどの柑橘系の香りのコンビネーションは、英国のクリスマスの香りといっても過言ではありません。

英国人はこのミンスパイをそのままで、または少し温めて生クリームをかけて食べます。
すでに焼かれているミンスパイはもちろんのこと、どこのスーパーでもパイのフィリングだけを瓶詰めにして、「ミンスミート」という名前で売っているので、ビスケット生地だけを自分で作って、フィリングを詰めてオーブンで焼き、自宅で手作りするのも人気です。

もうひとつ、この季節に人気なのが、同じ香りのするモルドワインです。
日本ではホットワインと呼ばれることが多いかと思いますが、スパイスや柑橘系のフルーツなどを入れて温めた赤ワインで、クリスマスマーケットなどの屋台でも売られています。
寒い季節に体を温める、理にかなったドリンクなのです。

Thumbnail Images

SHARE

このtipsをシェアする

新着物件NEW PROPERTY

無料相談を
おこなっております!

物件を買いたい、売りたい、
不動産について相談をしたい方は、まずは無料相談へお問い合わせください。
コンサルタントがあなたのお話をお伺いさせていただきます。